過去の申告をしていない法人を解散・清算する場合
こんにちは。税理士の吉田です。
今回は、法人を解散したいけれど、過去何年分かの申告をしていない場合、について書いていきたいと思います。
この場合、単純に解散登記をして終わり、というわけにはいきません。
過去の申告をしていないのであれば、まずはその無申告を解消する必要があります。
まず過去の申告を終わらせる
例えば10年間無申告だとしたら、まず過去5年分の申告書を作成していきます。
5年というのは、課税権の除籍期間(≒時効)が5年ということからきています。
5年分となると、当然ですが1年分の申告よりかなり大変です。
売上の資料、通帳、領収書、請求書、クレジットカードの明細などを確認して、それぞれの年度の帳簿を作っていきます。
問題は、5年前の資料が全部きれいに残っているとは限らないことです。
やはり古い年度のものについては、資料が一部なくなっていることが多く見受けられます。
まずは残っている通帳、領収書、請求書、クレジットカード明細などをできるだけ集め、再発行できるものは再発行を依頼し、必要であれば取引先にも確認します。
このようにできるだけ資料を集めたうえで、数字を埋めていきます。
それでも分からない部分については、お客様へのヒアリングから各年度の状況をお伺いしたうえで、推計していく他ありません。
5年分だとそれなりに時間がかかる
過去5年分の申告を終わらせるだけでも、それなりに時間がかかります。
もちろん会社の規模や取引量、資料の残り方などによりますが、小規模な事業者でも5年分となると、おおよそ3~6か月くらいかかることがあります。
特に資料が不足している場合は、再発行を待ったり、過去の取引を確認したりする時間も必要になります。
長期戦を覚悟しておいた方がよいでしょう。
無申告を解消してから会社を閉める
過去の申告を終わらせたら、その後に会社を閉める手続きを進めていきます。
まず解散登記を行います。
登記自体は自分で行うこともできますが、会社の解散・清算の登記は少し特殊なので、司法書士に依頼される方も多いと思います。
その場合は、司法書士報酬や登録免許税など、登記関係の費用もかかります。
同時に、解散日までの事業年度について法人税等の申告を行います。
その後、債権者に対する官報公告などを行い、会社に残っている債権・債務を整理する清算事務を進めていきます。
それが終わったら清算結了の登記を行い、最後の事業年度についても申告・納税を行います。
つまり、
過去5年分の期限後申告
↓
解散登記
↓
解散日までの申告
↓
清算事務
↓
清算結了登記
↓
最後の申告・納税
という流れになります。
全部終わるまで半年~1年くらいかかることも
先ほど書いたように、過去5年分の申告だけで3~6か月程度かかることがあります。
そこから解散登記、官報公告、清算事務、清算結了、最後の税務申告などを行いますので、さらに3~6か月程度かかることもあります。
そうすると、無申告の会社をきちんと整理して閉めるまで、半年から1年くらいかかることも普通に考えられます。
会社を作るより閉める方がめんどくさいのです。
納税を終わらせる
5年間無申告だったのであれば、その5年間について納税する必要があります。
また、解散時、清算結了時も申告をするので、その納税も必要です。
法人税等は利益(所得)によって税額が計算されますので、利益が少なければ税金も少なくなります。
ただ、消費税は赤字でも発生するケースが多いので、注意が必要です。
5年分ともなると多額の税金が発生するケースもあります。
無申告なので、無申告加算税や延滞税などもかかります。
納税資金の準備も必要ですね。


