期限後申告の節税について
こんにちは。札幌の税理士の吉田です。
「節税」は基本的にその年度内で行うことがほとんどです。というのは、一般的な節税方法は「お金が出る節税」がほとんどだからです。
無申告による期限後申告の場合は、その年度が終了しているので、積極的な節税方法を取ることができません。
ですが、取れる手法もいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
無申告・期限後申告の節税方法
売上をきちんと計上する
複数年の申告の場合、基本的には最長5年の申告です。
6年度前以前の売上に関しては、当然ですが売り上げに含めて申告しません。
売上に関しては、入金時に売上として認識するものではありません。
あくまでその売り上げが計上された日(基本的には納品日や役務提供日)になります。
なので、5年度前に入金があっても、6年度前以前の売上になるものであれば、5年度分の売上を計算するときに売上と認識しません。
買掛金、未払金をきちんと計上する
仕入れや経費など、その年度分に関するものは、支払いが翌年度以後になる場合でもその年度の仕入れや経費になります。(この辺りの基準はぼぼ売上と同じです。)
これは、特に最新の申告年度に関わってきます。
きちんとその年度分の経費をギリギリまで計上することによって、税額を最小限にします。
個人で支払っている通信費や家賃、光熱費
特に携帯電話はそうなんですが、ほとんど会社(事業)で使っていることが多いと思います。
個人払いになっていても、事業経費にすることが可能です。
携帯電話会社に問い合わせすると、過去の履歴が手に入ります。月に1万円支払っていても、5年間で60万円にはなりますので、かなり節税になります。
車の購入代金
車についても同じで、ほとんど会社(事業)で使っている場合が多いと思います。
車購入時の売買契約書、ローン契約書など拝見させていただき、減価償却を取りたいと思います。
ガソリン代、自動車保険料、修理費、車検代ももちろん経費になります。
一括償却資産
基本的に単価10万円超の物品(仕入れ等を除く)は減価償却と言って、その物品の耐用年数に応じて経費化されます。
ただし、10万円超20万円未満の物品については、一括償却資産といって3年度にわたって1/3ずつ経費にすることが可能です。
耐用年数との比較ですが、有利になる方法を取ります。
貸倒引当金
少額ですが、将来売掛金が貸し倒れになる可能性を見積もって、一定のパーセンテージで経費にすることが税法上認められています。(ただし、個人事業で白色申告の場合は不可)
青色申告
青色申告をすることによって各種特典があります。残念ながら無申告者の場合は、事前に青色申告承認申請書を提出されていないため、適用は不可です。今後青色申告を取れるように届け出を行います。
資料が無い場合
例えば、領収書が無い場合は、検討させていただき、間違いなくその経費は事業を行うにあたって支払うだろうと予測されるものに関しては、推計で入れる場合もあります。
これは税務署が取る方法なので原則論ではないのですが、実際税務調査の現場でも認められることも多いので、検討していきます。
ただし、何も証拠がない状態で推計するのは危険ですので、進行年度の領収書など、経費の出方を見て決める場合もあります。
他にもたくさんありますが、なるべく税額が低い形で、なおかつ国税も納得する形で申告書を作ろうと考えております。
まずは状況等を整理したいと思いますので、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
無申告・期限後申告のご相談は以下サイトをご覧ください。