税務調査の連絡を受けていたが、調査前に申告することにより調査省略になるケースがあります。
こんにちは。札幌の税理士吉田です。
以前こんなケースがありました。
無申告での税務調査の連絡
↓
実地調査前に期限後申告
↓
調査省略
ウソ?と思われるような事案です。
私たちも、当然調査があると考えて準備をしていましたが、肩透かしを食らった気分です。(納税者にとっては良かったと思います。)
私の税理士の署名押印付きで、5年分の期限後申告書を税務署に提出しました。
税務署と税理士事務所のナゾの信頼関係
ここからは話半分で聞いてくださいね。
「(税理士)先生が作ってくれたなら大丈夫でしょう。」
と言われたことがあります。
何度か税務調査官から言われたので、多くの税務調査官がそう思っている可能性はありますね。
税務調査官としても「先生が作ってくれたから大丈夫」として深く確認しないでスルーする箇所もあります。
他の税理士はわかりませんが、少なくとも私はスルーされるのがわかっていたとしても、嘘偽りなく申告します。
そういうお互いの信頼関係が、「先生が作ってくれたから大丈夫」という発言に至ると思います。
税務調査省略というのも同じような心境からだと思います。
無申告への税務署のスタンスとしては自主申告を促すこと
無申告者への税務調査は通常の税務調査とは違います。
通常の税務調査は、申告内容の誤りを見つけるのが主眼ですが、無申告者はその所得を計算して税金を課することが目的です。
無申告者に関しては、当初提出された自主申告書が無いため、税務署も誤りを指摘することができません。
つまり、申告さえしてしまえば、無申告者に対する指導としては終了する訳です。
まして、それが納税者本人が作ったものとなれば、「間違いもあるのでは?」と感じることもありますが、税理士が税務調査前提で作ったなら「そう無茶なこともしないだろう」と思ってしまうのかも知れません。
私たちも基本的には同じと言いたいところですが、税務調査前提での帳簿作成は、やはりかなり気を使ってしまいます。(逆にグレーゾーンの落としどころを税務調査官と折り合いをつけるので、やりやすいといえばやりやすいです。)
ただ、第一回目の実地調査が終わってしまった段階では、ほとんどの場合税務調査は避けることができませんし、調査続行となるパターンも多いです。
ですので、実地調査前に期限後申告を出した場合、「実地調査が無くなったらラッキー」くらいの感覚でいた方が良いです。
また、帳簿を作るのも(5年分となると特に)かなり時間がかかります。ですので、調査連絡(事前通知)から実地調査当日まで日数があまりなければ、期限後申告書を提出できないまま調査開始となる場合もあります。