過去に提出した申告書や届出書の確認方法(令和7年10月最新版)
札幌の新陽税理士事務所、税理士の吉田です。
過去に提出した申告書・届出書の控えを取っていなく申告書が作れないと言ったご相談を受けることがあります。
かなり前に書いた記事が多くのアクセスを頂いており、最新版を改めてリライトしたいと思います。
電子媒体で提出した書類の確認方法(e-taxで確認)
国税の電子申告・納税システム(e-Tax)を利用して提出した申告書・届出書は、e-Tax の「メッセージボックス(受信通知等)」などを通じて過去の提出内容を閲覧できます。
電子申告の「利用者識別番号と暗証番号」でログインし、メッセージボックスの「お知らせ・受信通知」より過去に提出した内容を確認できます。
申告書・届出書だけでなく添付書類(イメージデータ)も確認できますので便利です。

ただし、紙媒体で提出した書類は確認できないので、注意が必要です。
近年は多くの税理士が電子申告を行っているため、税理士変更の場合はe-taxのログイン情報(利用者識別番号・暗証番号)を教えてもらうとスムーズです。
また、インボイス通知書や還付金処理状況も確認できるため便利です。
紙媒体で提出した書類の確認方法(閲覧申請にて確認)
e-taxによらず紙媒体で申告書等を提出した場合には、所轄の税務署に 申告書等閲覧申請 を行って閲覧できます。
e-taxが普及していない時代に提出した書類を確認したい場合はこの方法しかありません。
以下、手続きの流れになります。
・申告書等閲覧申請書 を税務署所定様式で作成
申告書等閲覧申請書を事前に作成しておくとスムーズです。
・本人確認書類を添えて、所轄税務署窓口に提出
運転免許証やマイナンバーカードなどを持参しましょう。
・税務署側で該当書類を準備し、閲覧のうえ確認
税務署窓口に提出すると税務職員が書類を用意してくれます。
用意ができるまでかなり待たされるので余裕をもって申請しましょう。
閲覧はあくまで「閲覧のみ」であり、コピーの提供はされませんただし、スマートフォンによる撮影などは認めらていますので撮影して写真データを持ち帰るようにしましょう。
・代理人が閲覧する場合
他人(税理士や親族等)による代理での閲覧を希望する場合は、委任状および納税者の印鑑証明書等が必要です。
税務署に電話で問い合わせる方法
税務署に電話で確認を試みる方法もあります。
ただし、以下のような対応は所轄税務署によってまちまち、という印象があります。まず電話で問い合わせてダメそうなら閲覧申請をしてみる、程度に考えたほうが良いと思います。
・過去に提出した申告書記載の電話番号に折り返し連絡をする対応
まず納税者本人から税務署に電話し、税務署としても本人かどうかわからないため教えるわけにはいきません。
そこで、いったん電話を切り、その後税務職員から折り返しの電話をしてくれます。
税務職員からの折り返しの電話は、「過去に提出した申告書等に記載した電話番号」に折り返すので、過去に記載した電話番号が変わっていれば当然つながりません。
・税理士が代理して問い合わせる場合
これはほとんど教えてもらえないケースばかりですが、ごくたまに教えていただいたこともあります。内容によりけりなのかも知れません。
基本的なスタンスとして、税務代理権限証書を提出していたとしても税理士には教えてくれません。やはり納税者本人で対応する方が良いと思います。
ただし、詳しいことは教えて頂けません。以前に確認できたのは、決算期、申告済みの年分、特定の届出書が提出されているかどうかなどです。
まとめ
・提出した申告書・届出書の 写し(控え) は、必ず手元に保管するようにしてください。
・税理士に依頼している場合、税理士から渡された控えも確実に保存しておくことが重要です。
・特に消費税の届出は、「納税義務の有り・無し」「インボイス有り・無し」「本則課税か簡易課税か」など、かなり税額に影響するところのなので重要です。
・過去の内容が正確にわからない場合、閲覧申請を行うことを検討すると安心です。
弊所では、過去の申告書・届出内容の確認(閲覧申請)から、今後の対応(届出書の提出・修正申告や確定申告等)までを一括してサポートしております。
まずは現状をお聞かせいただければ、最適な確認方法をご案内いたします。


