複数年の無申告は税理士に頼むべきか?
こんにちは。税理士の吉田です。
今日はよく質問されることとして、複数年の無申告の申告書作成を税理士に頼んだ方が良いか?という質問です。
正直私たち税理士としては、フラットに考えると「依頼してくださった方が私たちの売上が増える」、このように考える方は多いと言えます。(税理士といえど商売なので・・・)
ただ、私としては、きちんとご納得してご依頼くださった方が相手のためにもなるし、私としてもすっきりします。お客様が釈然としないまま進めていくと後々トラブルにも発展するかも知れません。
私のポリシーとして、強引な手法でご依頼いただこうとも全く思っておりません。(相手の逃げ道をふさぐような強引に営業する人が嫌いなので・・・)
税理士に頼むメリット
税金が安く済む
税理士に依頼すると税金が安く済む場合があります。というのも、領収書や通帳の情報以外にも経費はあるのかも知れません。
例えば社長個人の携帯電話代。中小企業の場合は携帯代は個人契約している方が多く、会社の領収書や通帳を見るだけではわかりません。また、車の保険料なども個人契約になっている場合が多いと思います。
税理士は多くの業種の経験があるので、「この経費は出てないけど支払っているのでは?」と社長にヒアリングします。
また、この経費は落としていいのか?と迷うこともありますので、1つ1つの取引を経費で落とせるかどうか、専門家の知識を用いてなるべく経費にできるものは経費にしていきます。
売上の漏れ、経費の過剰計上がなくなる
例えば売上で考えると、今期に納品・提供した仕事でも入金が来期になることもあります。
税法の世界では、入金が来期でも納品・提供時の今期に売上計上することが原則です。この論点は税理士を使わないで申告された申告書を見ると、かなりの確率で「入金時」に売上計上しています。
これだと税務調査で売上計上漏れを指摘されてしまい、余計な税金(加算税など)がかかる恐れがあります。
余計な税金を払わないために、きちんと計上を行うことができます。
「わからない」がなくなる
上記にも当てはまりますが、税法の世界では、「お金が入った」「お金が出た」のみで計算されるものではありません。そこが難しいところなんですが。
給与の源泉所得税の取り扱いは?、住民税の預かりは?、車の耐用年数は?、中古で買った時は?、ローンで買った時の処理は?、消費税の計算方法は?、などなどわからない点がたくさんでてきます。
これを一から学ぼうと思っても、そうしている間に税務調査があっては元も子もありません。
また、やはり餅は餅屋ということで、代表者様にはお仕事に専念して、わからないものは外注を使った方が良いです。
わからないものをわからないままで適当に処理したら、追徴課税の原因になったりもします。
税務調査に対する不安が低くなる
やはり怖いのは税務調査です。税理士は、「税務調査が入る」という前提で申告書を作っているので、税務署から指摘されそうな取引については、事前にリスク説明などを行います。
事前に税務署から指摘されそうな事項がわかるのは安心できますよね。
もし完全に指摘されない帳簿を目指すなら保守的なものにすればいいし、多少攻めていく感じならリスクを考慮して処理するというのも一考です。
ただし、税理士という仕事柄、法律上完全なクロはシロとして申告できませんので、ご注意ください。
税務調査でどのように指摘されるかなど、微妙なニュアンスも税理士に聞けば教えてくれます。(私たちは聞かれなくても教えます。)
私たちのスタンスでは、重要な取引内容についてはきちんと社長に説明します。
経営に役立つ数字がわかる
税理士が作ると信頼性の高い帳簿が出来上がります。
そのため、経営していく上で必要な数字の把握ができます。
例えば、売上高はいくらか、利益率は何%か、経費で多く使いすぎている項目はないか、前年比較はどうか、借入金のバランスはどうか、などなど。
経営力向上のためには現状の把握が先決です。これからの業績安定や拡大に向けてきちんと把握ができます。
金額的なメリットが難しい
これも良く聞かれる質問ですが、
「税理士に料金を払って作ってもらうのと、税務署の言いなりになって作る(又はご自身で作る)のとは、どっちが安く上がるのか?」
このように質問されることもあります。
これは非常に難しい質問です。
やはり税金は申告書を作る人によって金額が変わってくるからです。
もしかしたらご自身で作った方が逆に売り上げを低くしてしまったり、経費を入れすぎてしまったりで、税金が少なくなる場合も想定できます。
税金を少なく申告しても税務調査がもし無ければそのまま通ってしまうというのも現状です。
ただ、「無申告で悩んできちんと申告して過去を清算したい」とお考えであれば、正しい申告を目指すべきだとは思います。
私たち税理士としても、「正しい申告」をすることが前提なので、きちんと申告がしたいというご要望になら100%お応えできます。
もちろん税理士報酬も高くなりますし、過去の税金なども一気にきますので、申告には強い意志が必要です。
もちろん、税金の支払いについても相談に乗りますので、お気軽にご相談くださればと思います。
無申告・期限後申告のご相談は以下サイトをご覧ください。