過去の領収書や請求書、控除証明書などの再発行について

こんにちは、税理士の吉田です。

過去複数年の申告をしたいけど、資料を無くしてしまったという時の対処法を書きたいと思います。

取れるものは取る。

まずは、取れるものは取る、ということで、再発行依頼をしてみるという手です。

通帳

一番大事なのは通帳。通帳は金融機関で10年間の保存義務がありますので、5年分申告と考えても再発行は可能です。即日発行してくれたり、後日送付したりと、金融機関によってまちまちなので、早めに請求依頼することをお勧めします。

仕入先、外注先

例えば末締め翌末支払いなど、締め支払いの取引形態の場合、相手方に取引の日付や金額などが書かれた元帳があるはずです。それを取得するか請求書や納品書を発行してもらいましょう。

現金払いの時も相手方に入金日を確認するなどして、取引の内容を明らかにしましょう。

相手が会社ではなくても(個人事業であっても)取引の中身は記載している帳簿があると思われるので、確認してみましょう。

クレジットカード明細

クレジットカードの場合は、取引の中身が記載された明細書があります。インターネットでは半年分しか見れないこともあるので、カード会社に連絡して再請求してもらいましょう。

クレジットカード会社によっては明細書が届くまで数か月かかる場合もあります。

公共料金

電気代、ガス代、電話代などの公共料金についてはその会社に再発行を依頼できます。

個人の携帯電話を経費にしているような場合では、個人的に利用してる携帯払いの金額も記載されてしまうので、あくまでも取引履歴を請求するようにしてください。

国民健康保険の支払額、年金の控除証明書、生命保険控除証明書など

国民健康保険については、役所で年間支払額の証明書が取得できます。

年金については控除証明書を日本年金機構に再発行してもらいます。

生命保険に関しては、生命保険会社に控除証明書の再発行を依頼します。

これがあれば個人の税金を安くすることができるので、必ず集めておきましょう。

推計で入れる

再発行できるものは再発行をしてもらう、というのを前提として、どうしても再発行できないときの対処法です。

ただし正式な方法ではないので、リスクは伴います。これについても説明します。

ある月の領収書だけごっそり抜けていたという場合。

その場合は他の月の領収書を根拠として、これくらい使っているだろうと予測の元推計して計上したりする方法。

この月の売上はこれくらいだから、経費もこれくらい使っているのでは?という方法です。

手帳などから出張日はわかるけど旅費の領収書がない場合

出張で使っているであろう航空券代、JR代を推計で計上。宿泊費などは宿泊施設のサイトなどから宿泊費を推計計上。

大雑把ですが、こらくらいは支出しているであろう、という根拠の元計上します。

経費否認リスクについて

基本的にはすべての取引について、領収書や請求書があることが税務申告の前提となります。

税務署とすれば、請求書や領収書が無いことを理由に否認(経費を認めないこと)をすることも可能です。

また、推計という方法は本来青色申告では認められません。(推計は基本的に資料が無いなどした場合に、税務署が仕方なく行う方法です。)青色申告の取り消しもあり得ますし、故意に領収書を紛失したということでそれ相応の罰を受ける可能性もあります。

青色申告が取り消しになると、個人だと65万円控除が取れなくなったり、法人では青色欠損金の繰越制度が使えなかったりします。(他にも青色申告が取り消されることによるリスクがたくさんあります。)

消費税否認リスクについて

消費税は本則課税(売上から仕入れ・経費・資産の消費税を控除する課税方法)の場合、領収書や請求書などを保管しておかないと、控除が認められないというのが原則です。

そういった資料が保管されていないと、法律上は100%の確率で控除が認められません。

ですが実務上控除できないと消費税が多額になるので、資料が無くても税務署で控除を認める場合がほとんどです。

法律上はダメなので、控除できない覚悟はもっておいた方が無難です。

まとめ

再発行できるものは再発行。

その他は推計、でもリスクは覚悟しましょう。

一番は書類を取っておくことが重要です。

以上です。

 

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